専門家こそMBAを!
経営者と共通言語を持ち新たなアプローチへ
森田貴子さん
Takako Morita
48期生(2017年1月入学〜2019年2月修了)

「このままでいいのか?」が原点!
MBA取得へのロードマップ
税理士として、そして経営者として、20〜30代は駆け抜けるように多様なキャリアを築いていました。起業後は、30代で企業再生やM&Aといった大規模案件にも携わり、国内外のクライアントとともに数多くの再生案件に取り組みました。事業の成長や市場の変化に伴い、クライアントが求める支援の幅も広がっていきました。
40代に入り、それまで専門としてきた税務や財務の知識を軸にクライアントを支援してきましたが、経営者たちの企業全体を見据えた課題解決に自分がどう貢献できるのかを考える局面も増えてきました。また、世界有数の企業の経営者や投資家たちとの仕事を通じて、彼らが当たり前のように使うビジネスのフレームワークや思考法に対して、自分は十分な理解があるのか——そんな疑問を抱くようになったのです。
漠然とした不安や物足りなさを感じながら、「このままのスキルでいいのか?」と自問する日々が続きました。そして、40代後半に差し掛かった頃、転機が訪れます。
もともと、経営戦略や組織マネジメント、マーケティングなどに関心があり、ビジネスを体系的に学びたいという思いがあったことから、自然とMBAに興味を持つようになりました。さらに、仕事を通じて関わる一流の経営者たちが、当然のようにMBAを取得していたことも、大きな刺激となりました。
MBAの情報を収集する中で知ったのが、BOND-BBT MBA(以下、BOND-BBT)です。国際認証を取得した実績のある学校であり、1400人以上の卒業生ネットワークが構築されていることに大きな信頼感を覚えました。英語のスキルも修得でき、StudyTourのように現地での学びを組み合わせた実践的なプログラムであることも魅力でした。
決め手となったのは、仕事と学びを両立できるオンライン受講の仕組みが整っていたこと、そして英語環境のもと、日本ではなく海外のビジネススクールのMBAプログラムで、世界で活躍するビジネスパーソンとしての共通言語をみにつけられると判断したからです。当時は、AirCampus®のように優れたシステムを構築している学校は珍しかったと思います。充実した学習環境に確信を持ち、税務・財務の専門性に加えてビジネスの知識を深めるため、MBAへの挑戦を決意しました。
「RTOCS®」で経営者視点を修得
講義の視聴、課題の作成、ディスカッションへの参加など、MBAの学習量は、相当なもの。オンライン受講とはいえ、クライアント対応や会社経営をこなしながらの学習は大変なことも多く、学習時間をどう確保するかが課題でした。隙間時間や移動時間、週末は勉強に集中し、仕事と両立しながら計画的に学習を進めるようタイムマネジメントを工夫しました。
多彩な授業の中で、特に実践につながったのが「RTOCS®︎(Real Time Online Case Study)」です。実際の企業のケースを分析し、限られた時間の中で解決策を考え、意思決定を行うという内容で、「もし自分が経営者ならどう判断するか?」といった視点を養います。これはまさに私が身につけたかった知識そのものでした。他にも、マーケティング、交渉術、グローバルビジネスでのリーダーシップなど、実践で活きる学びが多く、実際の経営課題を解決するための思考力が鍛えられたのはMBAの大きな収穫となりました。


刺激になったクラスメイトとの交流
BOND-BBTには、様々な業種のクラスメイトが在籍しています。彼らから受ける影響は大きく、自分の専門分野では当たり前だと思っていたことが、他の業界では全く異なる視点で捉えられていることに気づかされる場面が多くありました。グループワークやディスカッションを通じて、「MBAの学びは個人で完結するものではなく、仲間との意見交換を通じて深まるものだ」と実感しました。
オンラインだけのつながりであった教授と、ついに対面できたのが現地オーストラリアキャンパスでのStudy Tourでした。講義の中で学んだ経営理論やフレームワークについて、現地の教授やクラスメイトと直接議論することで、より実践的な理解につなげることができました。現地卒業式の前夜に、大前先生のご自宅に招かれたことも、貴重な経験となりました。
共に学びあったクラスメイトとの関係は現在も続いています。仕事の相談をできる仲間であり、ビジネスパートナーとして新たなつながりができることもあります。今なお知見を共有し合える存在であることに変わりありません。

税務×ビジネスの視点で
クライアントとの対話が深まる
BOND-BBTでの学びは、さまざまな利点をもたらしました。なかでも、クライアントとの会話の質が大きく変わりました。経営者が意思決定を行う場面において、財務データを活用しながら、市場を意識した経営戦略の視点を踏まえたアプローチができるようになったのです。これにより、税務や財務の枠を超え、経営者の立場に立った議論が可能になり、より深いレベルでの対話が実現しました。
ただし、ここで重要なのは、単に「経営者の視点で経営者と議論する」ということではありません。むしろ、「経営者の視点を理解した上で、自身の専門性を適切に提供できるようになる」という点が本質です。
弊会計事務所のクライアントには、上場企業やそのグループ会社、さらにはプライベートエクイティファンドが投資し、MBOを経て成長を遂げる創業家企業などが含まれています。企業は長い歴史の中でコアとなる事業価値を持ち続けながらも、経営難に陥り競争力を失うことがあります。そうした企業を再生させる過程では、まず当たり前のことを当たり前にできる基盤を強化し、その上で経営の専門家、税務・会計・法務のプロフェッショナルがチームを組んで改革を進め、生き残りを図ります。MBAで得た学びは、こうした企業再生の現場でも大いに活かされました。
また、この学びは小規模事業者との関わり方にも影響を与えました。大企業だけでなく、商店や家族経営の事業者も「売上を伸ばしたい」「経費を適切に管理したい」「事業を次の世代にどう引き継ぐか」など、共通する課題を抱えています。
小規模事業者の中には、経営に関する知識が体系的に整理されていないケースも多くあります。実は、程度の差こそあれ、上場企業であっても同様の課題を抱えていることがあります。
そのため、専門用語を使わず、誰にでも理解しやすい言葉で説明することが重要です。
クライアントの規模を問わず、共通の言語で議論できるようになったのは、MBAでの学びが基盤となっているからこそだと実感しています。
現在、私は企業の社外取締役としても活動しています。取締役会では、限られた時間で意思決定を求められる場面が多いため、MBAで培った短時間で本質を見抜く力が大きな武器になっています。税理士としての専門性に加え、経営者の視点で物事を捉える力が身についたことで、より効果的な提案ができるようになりました。


卒業後も続く、
長く、深いMBAの学び
MBAの学びにより、今ではクライアントとの打ち合わせの中で、フレームワークを自然と活用したり、経営戦略や資金調達、市場環境の変化などについても、幅広い見識を元に議論ができるようになりました。以前は財務や税務の話が中心でしたが、今ではクライアントの経営判断そのものをサポートすることができるようになり、以前よりも本質的なアドバイスができるようになっていると感じます。
振り返ると、私は10年に一度のペースで大学院に戻り、財政学、会計学を学んできました。30代で起業した私にとって、知識をアップデートすることは非常に重要でした。47歳で入学したMBAは、3回目の学び直しの機会となりました。
MBAでの学びを通じて、「学び続けることの重要性」を改めて実感しました。新しい視点や思考法を積極的に取り入れ、常に知識やスキルをアップデートし続けることの大切さを再認識したのも、MBAの経験があったからこそです。
BOND-BBT MBAの学びは、卒業とともに終わるものではありません。むしろ、修了後こそが新たなスタートです。MBAで得た知識や視点が、実務の中でさらに深まり、日々の意思決定や課題解決に生かされていることを実感しています。


経験と学びは自分の資産
MBAに挑戦するか迷っている方も多いと思います。私がお伝えしたいのは、学ぶことで新しい視点が得られ、自分の可能性を広げることができるということです。 私自身、40代後半で、「このままでいいのか?」と悩み、自分を見失いそうになったことがありました。そんなときに出会ったのがBOND-BBTでした。海外の教授とのやり取りや、英語で授業を受ける中で、私は「海外でしっかり学びたい」という気持ちをずっと持っていたことにあらためて気づきました。
年齢や現在のキャリアに関係なく、「もっと広い視野を持ちたい」「専門性を活かしながら経営の知識を深めたい」「国際的な学びを通じて共通言語を身につけたい」と考えている方にとって、MBAの学びは非常に価値のあるものになると確信しています。どんな経験も学びにつながります。そして、経験と学びは、『見えない自分の資産』となり、人生の可能性を広げてくれます。学びを通じて得られる新たなチャンスに、ぜひ挑戦してみてください。
