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仕事や家庭と学業を両立してMBAを取得する方法

社会人にとってMBA取得は、ビジネスの拡大や人脈形成のほか、キャリアップや異業種へのキャリアチェンジなど多くのメリットがあります。また、体系的に経営学を学んで知識や視点を広げることにより、自身をアップデートできるのも大きな魅力です。しかし、社会人として働きながら、かつ子どもを育てながらMBA取得をするのは容易ではありません。 そこで、仕事や家庭と勉強を両立しながら、MBAを取得するための方法を探ってみましょう。

【MBAを社会人が働きながら取得するのは可能か?】

結論からいうと、仕事や家庭とMBAの取得を両立することは可能であり、現に日本では多くのビジネスパーソンが働きながらMBAホルダーとなっています。一般的に、MBAを取得するまでには、約2年間を要します。この期間を、「MBAを取得するための両立期間」と決め、趣味や遊びの時間をできるだけ勉強時間にあてるなど、意識を変えていくことが大切だといえます。

【仕事と両立できるコースの選び方】

【MBA取得】 国内?海外?オンライン? 自分に合った選び方


”MBA比較”

フルタイムMBAとは?

平日(月曜から金曜)の朝から夕方まで授業があり、一般的な大学院と同じ時間に通学する方法です。

💡フルタイムMBAのメリット

仕事や時間に追われることがなく、勉強にたっぷり時間を使えます。また、先生やクラスメイトと顔を合わす頻度も高いため、コミュニケーションも取りやすく、仲間を作りやすいのも利点です。

💡フルタイムMBAのデメリット

日中に仕事がある場合は、仕事を辞める、あるいは休職する必要があります。もし、退職する場合、培ってきたキャリアを中断することになるうえ、取得後に再就職をするリスクも あります。また仕事が続けられない場合は、高額な学費の負担が大きく、金銭的な不安を抱えることになります。クラスメイトには就業経験のない新卒の学生や留学生も多く、ディスカッションの深みという点では100%社会人のMBAと比べると劣ります。

パートタイムMBAとは?

平日の夜と土日授業があります。例えば、平日の夜は19時から22時まで、土曜は9時から18時までといった仕事が終わった後に通いやすい時間に設定されているのが特徴です。社会人を対象とした学校も多く、中には受験資格を「実務経験3年以上」と条件を定めている学校もあります。

💡パートタイムMBAのメリット

会社を退職や休職する必要がなく、仕事を継続しながら勉強できるので、キャリア中断の心配もなく、金銭的な不安もありません。さらに、授業で学んだビジネスの知識を、そのまま現場で活かし、実践できるのも特徴です。

💡パートタイムMBAのデメリット

仕事と両立しながら学ぶため、タイムマネジメントが苦手な場合には苦労するかもしれません。また、仕事が予想以上に多忙になった場合や残業が増えてきた場合には、授業に出席できなくなったり、勉強時間が確保できなくなるなどの可能性があります。

オンラインMBA(リアルタイム)とは?

講義の受講やディスカッションをオンライン主体で行います。平日19~22時頃もしくは土日にオンライン上で講義が行われます。

💡オンラインMBA(リアルタイム)のメリット

近辺に通えるMBAがなくても学習可能です。また通学がないため時間の節約にもなります。

💡オンラインMBA(リアルタイム)のデメリット

平日の夜間や土日を受講時間に充てるため、業務や家庭との調整が必要になります。

オンラインMBA(オンデマンド)とは?

時間や場所の制約が現代のライフスタイルにあったMBA取得法として注目されています。講義映像の視聴やディスカッションの参加は24時間いつでも可能です。

💡オンラインMBA(オンデマンド)のメリット

育児中の方は子どもが寝た後や起きる前の時間、また通勤時間等に学習時間が確保できるため両立しやすい環境です。出張が多い方や転勤の可能性がある方、時差のある国に駐在中の方にとっても安心です。

💡オンラインMBA(オンデマンド)のデメリット

教授やクラスメイトとの対面でのディスカッションや交流の機会は通学と比べると多くはありません。そのため、自分で仕事と勉強のメリハリをつけ、上手にモチベーションを保っていく工夫が必要となります。

仕事と両立できるコース選びのまとめ

以上のように、MBAを働きながら取得するための学校選びとしては、「パートタイム」か「オンライン」を選ぶのが適しているといえます。「オンライン」のうち「リアルタイム」か「オンデマンド」かは自分の職場環境、家庭環境等から総合的に判断することが重要といえます。

【学習時間の管理】

実際に授業が始まると、膨大な勉強量に驚き、「両立できるのか」と不安を覚える人も多くいるかと思いますが、スキマ時間を活用し計画的に勉強を進めることが大切です。仕事と勉強を両立するために、効果的な時間管理方法をご紹介します。

❶ 勉強に要する時間を見積もる

入学すると閲覧できるシラバスを確認し、予習・復習や、課題提出など、学習内容の全体像を把握し、勉強に要する時間がどれくらいかを見積る習慣を身に付けていきましょう。それにより、「この課題に要する時間は5時間ほどだから、帰宅後2時間、週末3~4時間を課題にあてよう」と見通しをつけられるようになります。

❷ 仕事と勉強のスケジュールを1週間単位で把握する

仕事の段取りと学習時間の確保を1週間でスケジューリングしましょう。例えば、急な会議や打合せが入った場合、就業時間内に終わらない可能性もあり、帰宅後に勉強する時間が削られてしまします。1週間でどれくらいの勉強量を確保できるかを総合的に算出し、「今日できなかった分は、今週末の2日間で採り戻そう」と余裕をもったスケジュールを心がけましょう。

❸ 隙間時間を勉強に充てる

通勤中、移動時間、仕事の昼休憩、就寝前の時間など隙間時間を有効活用しましょう。これまでは、休息などに使っていた時間も、講義を聴いたり、レポートを読んだりする時間にするよう、意識を変えていくことが大切です。勉強を生活の一部として習慣化し、「昼休憩には予習をしながらご飯を食べる」「通勤中はテキストを読む」など、毎日決まって発生する隙間時間に学習を習慣付けてみるのも良いでしょう。

❹ 朝型?夜型?最も集中できる時間を知る

修了生の中には、「子どもが寝た後の時間帯の方が集中できる」「夜型だったが次の日の業務を考えて朝型に切り替えた」という人もいます。自分が最も集中できるは何時なのかを知り、その時間に合わせてライフスタイルを変えていくことも必要です。オンラインMBAの中でもオンデマンド型は特に個々のライフスタイルに合わせやすいと言えるでしょう。

【学習方法の工夫】

あらゆるビジネスの知識を吸収していくMBAでは、いかに効率よく勉強を進めていくかが重要です。修了生がどのような方法を実践していたかをご紹介します。

❶ 自分に合った学習方法を見つける

授業のまとめ方を、自分の得意とする方法で実践するのもひとつです。例えば、データを図表化するのが得意な場合、PowerPointやExcelなどでグラフや表にし、自分なりに理解できるようまとめる学習方法もおすすめです。

❷ 仲間と勉強会を実施する

多くの修了生が「クラスメイトとの勉強会」を実践しています。オンラインを利用しながら、授業で分からなかったことを教え合ったり、復習や予習をしたり、プレゼン準備にアドバイスをもらったりと、仲間同士での学び合いはMBA取得に役立ちます。

【日常生活の工夫】

❶ 勉強を習慣化する

勉強を生活に一部として習慣化し、「昼休憩には必ず復習をする」「夕食後は予習をする」など、決まった時間に、決めた学習内容に取り組む習慣をつけてみるのも良いでしょう。

❷ 職場で関わりのある人たちに理解してもらう

MBA取得を目指していることを、予め家族や職場に伝え、理解してもらえるよう努めることも大切です。「残業や出張が断りにくい」「仕事に支障がでる」という理由でMBA取得をあきらめてしまう人もいますが、職場に伝え、勉強と仕事をしっかり両立している姿を見せることで、会社側の理解も深まります。「職場でMBAに通っていることを伝えた結果、様々なプロジェクトに声がかかるようになり学んだことを活かせる場が増えた」というような体験談もしばしば耳にします。

❸ 家族に理解してもらう

家庭においては、仕事を終えた夜や、休日も勉強に充てることが増え、家族との時間が少なくなることは想像できます。「部屋にこもって勉強したいけど、家族との時間が減って申し訳ない気持ちになる」と語る経験者も少なくありません。家族とはスケジュールを共有し、「土曜は勉強したいから、日曜日は出かけよう」など、勉強と家族の時間のメリハリをつけておくことが大切です。

【モチベーションの保ち方】

修了生の中には在学中を振り返り、「入学した当初はやる気があったけど、数か月後には燃え尽きてしまっていた」など、モチベーションの維持が難しかったという声が聞かれます。その場合の対処方法としては、以下の方法があります。

❶ 励まし合う仲間をつくる

ハードな時期を共に過ごした仲間を「自分の財産」と呼ぶ修了生もいるほど、仲間の存在は大切です。辛い気持ちを共有し、励まし合い、切磋琢磨することで、モチベーションを高めることができるでしょう。

❷ 上手に気分転換をする

勉強から少し離れて、気分転換することも大切です。「友人とランチに行く」「子どもと遊ぶ時間を長くする」などリフレッシュタイムをとり、勉強と仕事のバランスを図ることが大切です。

❸ 何のために学んでいるのか再確認する

2年間学んでいると、目の前のことにとらわれて学習の目的を見失ってしまう時期もあるでしょう。そんな時は、「MBAに入学した理由は何だったのか」「学んでどのような自分になりたいのか」等、当初の目的や情熱を再確認することでモチベーションを維持することができます。

【働きながらMBAを取得したBOND-BBTの修了生たち】

BOND-BBT MBAの修了生が仕事と勉強をどのように両立をしたのか話を聞いてみましょう。

事例1 出張の多い営業職に携わりながら勉強と両立

小薗井 剛さん 57期生(2020年1月入学~2022年12月終了)

Q. どのように勉強時間を確保しましたか?

平日、休日ともに朝は勉強せず、夜遅く(家族が寝てから)が集中して勉強できる時間でした。また、BOND-BBTを始めた時に子供が小学5年生であまり手がかからなかったため、休日は勉強時間を多めにとれていました。

Q. 仕事と勉強を両立できたコツは?

職場にMBAの取得を目指していることを伝えていたので応援してくれていました。勉強へのモチベーションを保つには、クラスメイトの存在は大きかったです。飲みに行ってリフレッシュをしたり、分からないところを教え合う勉強会を開いたりと、支え合える関係を築けたのがよかったと思います。
MBAの勉強時間
MBAの勉強時間
MBAの勉強時間

事例2 隙間時間を活用して仕事、勉強、子育てのバランスを図る

玉利一美さん 59期生 (2020年9月入学~2023年6月修了)

Q. どのように勉強時間を確保しましたか?

通勤中や隙間時間を利用して効率的に勉強をしました。レポート作成や授業の準備は平日と休日の夜に、子供を寝かしつけた後に集中して取り組むようにしていました。

Q. 仕事、勉強、子育てをしながら修了できた秘訣は?

家族の理解とサポートがあったからです。応援してくれるか家族のためにも「頑張ろう」と思っていました。子育て中だから勉強できない」「子どもが大きくなるまでは時間が作れない」とMBAに挑戦するのをためらう方も多いかもしれませんが、子どもがいても決して不可能ではないといえます。

仕事と勉強の両立方法は、人それぞれ異なり、自分に合った方法を見つけていくのが成功のカギといえます。BOND-BBTの修了生たちがどのように工夫し、実践していったのかを参考にしてみましょう。

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