【第1部】「前例」を打ち破れ!実力を発揮できていない優秀な女性がもっと活躍できる社会を!!(修了生/藤野祐美さん)
そして、ある問題意識から2007年に独立し、企業立ち上げからマネジメントまでの経験を基に、各種企業・団体・大学等に組織開発・人材開発の分野にてコンサルティング活動を展開されてきています。
人材戦略立案、リーダー育成、女性リーダー育成、モチベーション・マネジメント、ダイバーシティマネジメント、コミュニケーション、部下育成、キャリア開発等と幅広く組織・人材開発領域でご活躍されている藤野さん。起業されるに至った背景は何なのでしょうか?
今回から3回にわたる本連載、最初はその背景にあったある問題意識にフォーカスしてご紹介したいと思います。
Q. Y’sオーダーでされているお仕事について教えてください。
Y’sオーダーは人材開発・組織開発を手掛けている会社です。グローバルビジネスで活躍できる人材を育成したい、女性の活躍の支援をしたいと考えて起業しました。
ただ、研修をしているだけではありません。私は、人材育成をイベント事にしてはいけないと考えています。先生の講演を聞いておしまいではなく、行動変革にまでつながって初めて人材育成ができていると言うことができるのではないでしょうか。気づきから行動変革を起こすために、研修だけでなく、課題のあぶり出しをしながら制度設計や人材育成の体制構築、Before & Afterを比較するためのアセスメントなどまで、手厚い支援をしている点が特色です。この際、人材育成の対象となる方の個々の違いも理解して踏まえながら育成支援に関わっていくことが大切だと思っています。そのため、個々にカウンセリングを行うこともありますね。
Q.起業をされた理由は何ですか?
以前、P&Gからオランダの外資系企業に転職したことがありました。当時の外資系企業の中で言われていたこととして、実力のある人を日本で採用しようとするなら女性にアプローチするようにというのが定説でした。日本には力があっても、自身の力を発揮しきれていない女性が多くいらっしゃるからです。なぜでしょうか?
私は当時、M&Aに組織の代表として関わることが多くありました。あるとき、日本企業にM&Aの交渉で訪問したときに違和感を覚えました。私が先頭になって会議室に入っていくと、女性であるという理由で代表とは認識されず、通訳の方と間違われたことがありました。日本企業では当時、女性がそのような重要な仕事のトップを担うという「前例」がなかったためですね。
同じ「前例がない」という理由で、日本企業では優秀な女性が重要なポストに就くということが、なかなかありませんでした。
実力のある人が、仕事の主導権をもって積極的に働けず、サポートに徹している。自身の価値を発揮できないでいる人が多くいる状況を目の当たりにして、その力を引き出す仕事をしたいと考えるに至りました。
起業は2007年にしたのですが、当時はまわりから「女性の活躍支援はまだ早いのでは?」と言われ続けていました。たしかに大変ではありましたが、需要は確実にありました。最近は伝統的に男性社会といえる組織からも女性の活躍支援について問い合わせが入ってきており、当時に比べると大きく環境が変わってきましたね。
ただ、今が本当に勝負の時です。ブームで終わってしまうか、確実に定着させることができるのか、その狭間にいると言うことができるのではないでしょうか。
藤野さんはそのような現状に問題意識をもち、独立してコンサルタントとして問題に取り組む道を選ばれました。今後も問題解決を通して、藤野さんが実現されたいことに一歩ずつ一歩ずつ、近づいていかれることをお祈りしています。
様々な専門性をもつ藤野さんですが、実はその中で特に得意としていることが2つあるそうです。現在はその分野にも力を入れられているとのこと。それは何なのでしょうか?詳しくは、次号をお待ちください!
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