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答えはあなたの中にある ~自分をつくりあげてきたものは何か~【女性のキャリアを考える 第2回】

先月から「女性のキャリア」にフォーカスして連載開始した、Bond-BBT MBA2期生でキャリアカウンセラーもされている藤野祐美さんによる連載の第2回。今回は、「答えはあなたの中にある」というテーマでお届けします。「キャリア」というと、職務経歴書に記すような内容をイメージされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、キャリアにはそれ以外に大切な要素があります。それはいったい何なのでしょうか?その答えは、まさに皆さんの中にあります。その心は?詳細についてはぜひ本文をご覧ください。

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これからの女性のキャリアの磨き方 ~新たな時代のうねりの中で~

これからの自分がどうあるべきか、どうありたいのか?未来の自分は、どこかから突然降って湧いてくるわけではありません。明日は、今日の延長線上に、そして今日は、これまで自分が歩いてきた道のりの集大成です。つまり、未来は必ず今この瞬間と、そして過去と繋がっています。

未来と繋がる今の自分は、どうやって出来上がってきたのか。自分を理解すること=自己理解がこれからのキャリアを考える一歩に繋がります。

キャリアの語源は、「馬車の轍」です。馬車が走りぬけた後に残る車輪の後のように、これまで自らがどんな轍を残してきたのかを振り返ることが重要な意味をもってきます。まずは、3つの観点から自分のこれまでを振り返ってみましょう。

1.満足度

あなたのこれまでの人生の中で最も満足度が高かったときは、どんな時ですか?

子供のころのピアノのお稽古でほめてもらえることが嬉しくて毎日練習し、コンテストで入賞したこと。中学受験で無事、志望校に入学できたこと。大学生になり、念願の一人暮らしを始めたこと等々。大きいことから、小さいことまで、どんなことでも構いません。記憶に残る満足度が高かった出来事を書き出してみましょう。

幼少期から、現在に至るまで、思い出す限り出来事を振り返った時、なぜ、その時満足度が高かったと感じますか?目標達成できたときに満足度が高かったとしても、その理由も様々に考えられます。周りからは絶対無理だと言われた目標を達成できたから、高かったのでしょうか。それとも、まだ誰も成し遂げたことがないことをやり遂せたから高かったのでしょうか。

同様の作業を、満足度が低かった出来事についても行います。満足度の高かった/低かった出来事とその理由を振り返ることで、自分の満足度を上下する要因を理解します。

2. 印象的な出来事と出会い

続いて、これまでの人生の中で、印象的であったことを振り返ってみましょう。良い意味でも悪い意味でも、自分にとっての印象的であった出来事は、どんなことでしょう?なぜ、それが印象的であったのでしょうか。

幼少期に大切な親類を亡くしたこと。初めて命と向き合い、時間が有限であることを知ったから印象的であった。留学生活。自分にとっての当り前が通用しない、世界の多様性に触れたことが印象的であった等。

更に、印象的であった出会いについても振り返ります。どんな人物との出会いが印象的でしたか?友人、先輩、先生、上司等々。数ある出会いの中で、なぜその出会いが、印象的であったのか。相手がとても前向きであったから?それとも、行動的であったから?はたまた戦略家であったから?理由は、何でしょうか。

3. キャリアインベントリー

次に仕事人生の部分に焦点をあてます。これまで自分がどんな仕事をしてきたか。○○会社に勤務といった単なる履歴書的な振り返りではなく、それぞれの業務において何を成し遂げてきたのかまで含めて振り返ります。

プロジェクトの成功のような大きな成果のみではなく、データの整理方法を工夫した結果、自身の仕事効率が改善されたといった日々の積み重ねでも十分です。

3つの視点から見えてくるもの

人生の振り返りは、自己理解を深めます。自分がどんな人物かという人物特性や特徴。ひと言で表すなら、自分をどう語りますか?ということです。特に満足度の振り返りは、自身の特性や特徴をよく表します。

そして、印象的であったことには、興味が現れます。更には、価値観。価値観とはすなわち、自分にとって絶対に譲れないもの、何より大切にしたいものです。それだけに自分の価値観を明確に理解していれば、多少の環境変化に遭遇しても、軸足がぶれることはありません。これまでの人生の中で大切にしてきたもの、こだわってきたものは、何でしょうか?

そして最後に、強みです。キャリアインベントリーに表されるこれまでの仕事への取組みの中で、どんな強みが築きあげられてきましたか?ともすれば、強みよりも弱みに目が行きがちですが、まずは、自らの強みを理解し、これを活かしていく。今の人材育成の主流の考え方でもあります。

キャリアは職務経歴書に非ず

キャリアというと、まさに職務経歴書に記すような、これまで自分が仕事で積み重ねた経験を指すと考える方が少なくありませんが、それは、キャリアの一部に過ぎません。

キャリア開発の第一人者、ダグラス・ホール氏は、キャリアを「ある人の生涯にわたる期間の仕事関連の諸経験と、結びついた態度や行動における個人的に知覚された連続」と定義しています。つまり、“仕事関連の諸経験”=職務経歴書の記載内容+“その経験と結びついた態度や行動における個人的に知覚された連続”=自分は、何のために仕事をし、何ができ、何に価値を感じているかまでをも網羅したものがキャリアなのです。

人生の振り返りを通して、あなたは、何のために仕事をし、何ができ、何に価値を感じていると理解しましたか?

“答えはあなたの中にある”。キャリアを考える鉄則です。

講師プロフィール

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藤野 祐美 氏
株式会社Y’sオーダー 代表取締役
オーストラリア BOND大学 大学院 経営学修士課程(MBA) 修了。
ミノルタカメラ(現コニカミノルタ社)にて、産業用計測機器の販売企画、販売支援に従事の後、P&G社(米資本)での国際人事業務を経て、世界最大の水産飼料会社ニュートレコ社(オランダ資本)の日本法人立ち上げに参画。同社はじめ、関連会社2社を起ち上げ、取締役に就任。アジア太平洋地域人事統括として、組織開発、人材開発に従事。その後、2007年株式会社Y’sオーダーを設立、代表取締役就任。グローバル市場で活躍できる人材育成のための組織開発・人材開発を手掛ける。

答えはあなたの中にある。(Bond-BBT MBA事務局より)今回の連載記事はいかがでしたでしょうか?

MBA取得を検討される方の多くは、ご自身の今後のキャリアをどのようにするかという問いに向き合われています。なぜMBAを取得しなくてはならないのか?MBA取得はご自身にとって大切な自己投資。とても大切な問いではないでしょうか。

本プログラムでは、そのような方々のご相談にも個別カウンセリングというかたちで乗らせていただいております。もしご希望される方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。誠心誠意、ご対応をさせていただきます。

連載記事は「女性のキャリア」がテーマですが、男性が読まれても間違いなく参考になる点が多いのではないかと思います。次回以降の連載もぜひ楽しみにされていてください!

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