【第1部】経営者が直面する課題を解決するために選んだ「起業の道」(修了生/福田徹さん)
IRを中心に専門性も広く、Bond-BBT MBAの修了生からもビジネスについて相談を受けることも多い福田さん。今のビジネスはどのような経緯で関わるようになったのでしょうか?また、ご自身がもつ明確な専門性にMBAで得られたことが加わることでどのような成果を得られているのでしょうか?様々な切り口からインタビューを通してお話をお聞きしたいと思います。
連載は3回にわたりますが、初回はまず福田さんのお仕事の内容や起業された理由などにフォーカスしてご紹介をしたいと思います。
Q. 福田総合研究所ではどのような仕事をされていらっしゃいますか?
福田総合研究所の主な事業内容は、コンサルティング業務です。最初はIRコンサルティングを中心に、企業の上場支援を行ってきました。
創業から月日が流れ、現在はIRコンサルティングも対象が上場支援に加え、コーポレートガバナンス対策や海外への英文情報開示支援、M&Aの支援、資金繰りの相談、上場企業の社外取締役などサービス領域が多岐にわたっています。東証一部上場企業から創業間もないベンチャー起業まで、経営者から直接相談をいただく機会も多く、経営に携わる方々と仕事をすることが多いです。
IRコンサルティングを中心に、他にもM&Aのデューデリジェンスで利用するクラウドサービスの提供(外部企業と提携)、マーケティング用のマンガ作成、後継者育成コンサルティング、経営相談など、企業が事業を行って存続していく上で必要となるサービスをサンストップで提供できるようにしています。コンサルティング業務以外に、証券会社や保険会社など金融機関に社員研修の講師として依頼を受けることもありますね。
企業を対象にした業務以外にも、個人として関東学院大学や国学院大学の経済学部で講師を務めていますし、日本FTP協会からの要請で高校に資産運用に関わる教育のために派遣されることもあります。個人資産家からライフプランニングについてご相談をいただくことも多いですね。著書を読んで問い合わせをいただく方、お客様からご紹介いただく方が多いです。
Q. そもそも、IRコンサルティングに携わるようになった理由は何ですか?
元々はサラリーマンになるつもりはなく外交官になりたかったのですが、様々なご縁があって野村証券に就職することになりました。これが自分の最初のキャリアです。
入社後、しばらくして野村証券のロンドン現地法人に赴き、金融ビッグバン対策に取り組んでいました。その際、IRのアレンジメントを業務の一環として行っていたのですが、「これはコンサルティングとして成り立つのではないか?」と考えるようになりました。当時、証券会社の方から見たら“当たり前”のことであっても、その“当たり前”を知らない方の方が業界外では多かったのです。上場を目前にしているような企業担当者の方であっても、IRについてご存じないことが当時は特に多いように思えました。そこに、ビジネスチャンスを見出しました。
社内で新規事業アイデアを出す制度があったのですが、その制度を利用してIRコンサルティングの事業を起案。それが承認され、野村IRというIRコンサルティング専門の子会社を設立するに至り、IRコンサルタントとして働き始めました。上場企業約3,600社中、1,000社ほどはまわったと思います。
そして野村IRで8年間働いた後、異なることにチャレンジをしたくなって金融の知識も活かすことができるソニー生命に個人事業主のような形で転職しました。
Q.そのような中、起業をされた理由は何でしょうか?
ソニー生命で働いていた際、法人顧客を中心に営業をしていたのですが、私のバックグラウンドもあってか保険に限らず本当に幅広いご相談をいただくことが多くありました。経営コンサルティングの依頼や、外部役員として就任できないか打診をいただくこともありましたね。
ただ、就業しながらですと会社の規定上、そのような仕事をお受けすることはできませんでした。そこで、そのようなご相談もワンストップで広く受け、企業経営を支えるために必要なサービスを提供していくために起業をしようと考えました。
ご自身の強みである専門性を明確にお持ちの福田さん。持ち前の発想力や行動力、そして専門性とカバー領域の広さを武器にこれまで多くの道を切り拓いてこられました。専門性の高さとワンストップで提供できるサービス領域の幅広さはご自身の道を確立し、高い成果を上げていかれる上で大切なことなのではないかと思います。
そのような中で、MBAプログラムを通して得られたことがどのように活きているのでしょうか?次回はその点にフォーカスしてご紹介をいたします。
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【第2部】金融機関で法人顧客を対象に仕事をしているとしたら、MBAで学んだことは間違いなく役立ちます。
【第3部】毎月1つずつ、新規事業を考えて仕掛けていくことを自分に課しています。