Business Model Design(1)自分らしくVUCA時代を生き抜く術
執筆:安達佳彦(外資系製薬会社勤務)
対象科目:Business Model Design(講師:中川 功一)
皆さん、はじめまして。
Bond-BBT Global Leadership MBA 2017年2月修了生の安達佳彦です。
今回を含め、5回に渡りMBA在籍中に最も印象的、かつ実践的な科目の一つであった『Business Model Design』についてご紹介致します。
さて、mbaSwitchを読んでいらっしゃる皆さんは何かしらのお仕事に従事されていらっしゃるかと思いますが、以下のようなことに遭遇したことはないでしょうか?
①突然、ものが売れなくなってしまった
②組織そのものが統廃合によりなくなってしまった
③事業の撤退やプロジェクトの中止などを余儀なくされ、その意思決定のプロセスは不透明
上記のようなことは身近に起こることがあります。
私は製薬会社に勤めているので、どちらかと言えば製品の売り上げ予想(Forecast)に対し、ある一定のプレッシャーを感じることはありますが、割と予測可能な領域であり、欠品や品質問題、重篤な有害事象の発生などがなければ、突然売れなくなるということはほとんどありません。しかし、組織の統廃合や事業の撤退などは他社も含め、よく目にします。
VUCA時代、あなたはどうする?
そんな時に良く使われるワードとして、VUCAが挙げられます。
VUCAとは「Volatility(激動)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(不透明性)」の頭文字を取ったもので、「VUCA(ヴーカ)」と呼びます。「今の時代はVUCA時代だから…」など耳にされたこともあるのではないでしょうか。
何でもVUCAのせいにしてはたまったものではないですが、これらのビジネス環境下にあっては、上記の統廃合や撤退のようなことも起こり得るということを、ある意味覚悟しなければなりませんし、もしもの時に備え、必要になりそうなスキルは予め身につけておくべきだと考えます。また、このような状況をチャンスと捉え、然るべき時に備え準備をしておくことが大切です。
これからの時代の必要なスキル:Learning agility
そのキーワードとしては「Learning agility(学習機敏性)」を高めることが大切だと個人的には感じます。
「Learning agility」は経験から素早く学ぶ能力と意欲があり、その学びを初めての環境下でも応用して成功に導くことできる力を意味していますが、その「Learning agility」を個人で高めることは簡単ではありません。学びの場が用意されているMBAのプログラムではそれらを高めることができるでしょうし、時にはコーチを雇うなどして、コーチとの「Dialog」を通じて「Learning agility」を高めていくという方法もあります。VUCA時代を生き抜くにあたり、この「Learning agility」はキーワードの一つとして覚えておくとよいでしょう。
『Business Model Design』で得られるスキル
今回ご紹介するBond-BBT MBAプログラムの『Business Model Design』という科目で得られるスキルを一言で表すと、「新製品やサービスの開発を起点に、総合的な事業計画を作成できるようになること」と言えます。
現代は「考え抜いて勝つ」時代であり、「良いモノ・サービスを作れば勝てる」という時代ではありません。
「良いモノをつくって、マーケティングで売る」時代は実は古く、1960年代前後の手法なのです。その頃から2000年代頃までは製造業や小売においてもビジネスの成否を分けるキーファクターはファイナンスであるとされています。さて、この先はどんな時代を迎えるのでしょうか。
この講義では、頭の良いMBA生が辿り着いてしまう“ほぼ同じような答え”からの脱却を図り、Learning agilityを高めながら「考え抜く」力、ひいてはこれからのVUCA時代を生き抜くためのスキルを身につけることができます。
『Business Model Design』の2つの魅力
私が考える、本科目の魅力を2点ご紹介したいと思います。
①リアル企業へのプレゼン
私が受講したのはMBA卒業を目前に控えたころで、最後の科目としてこの『Business Model Design』(以下BMD)を選択しました。選択した理由は2つあり、一つはこの年、BMDが初めて開講され、新規の科目として面白そうであったという点です。
何に興味を惹かれたというと、実際の企業(当時はスポーツ分野でお馴染みのミズノ)に対し、新規事業を提案するという斬新な点でした。机上でレポートをまとめ上げるだけではなく、大阪大学まで行き、ミズノの数名のスタッフの前でプレゼンをするのは、とても緊張したのを今でも覚えています。しかも点数化されその場でフィードバックも受けますので、緊張感はこの時、ピークを迎えます。そして、大阪大の学生さんも参加しますので、下手な提案はできないというのもたまらない点でした。
②「中川功一先生」というキャラクター
二つ目は、中川功一先生(大阪大学経済学部 准教授)というBond-BBT MBAプログラムではかなり特徴的な先生との出会いです。
中川先生は『Management of Innovation』という科目でも教鞭を取られており、出会いの始まりはBMDより前のインベーションの科目でした。今では数か月に1回(多い時は毎月!?)のペースでお会いする仲になりました。当時はこんな関係になるとは思ってもいませんでしたが、HRカンファランスで一緒に登壇させてもらうなど、とても面倒見のいい兄貴的な存在です。
※中川巧一先生のプロフィール、科目紹介はこちら
https://www.bbt757.com/bond/programs/mba/business-model-design/
MBA受講生には笑えない。必殺ちゃぶ台返し!?
そんな中川先生の得意技は「ちゃぶ台返し」で、どんなレポートも(おそらく)必ず、ちゃぶ台をひっくり返してきます。
ここだけの話し、これは中川先生の戦略の一つで、「君たちの力はまだまだこんなもんじゃない」という魔法の言葉一つで、レポートのクオリティがさらにレベルアップされるのです。ただし、ちゃぶ台をひっくり返すからといって始めから手を抜いてはダメです。全ての議論のプロセスは見られていますので、常に全力で行くことをおススメします。
それでは次回以降も、本科目で学ぶエッセンスを順にお伝えしていきたいと思います。
安達佳彦
Bond-BBT Global Leadership MBA 修了生
1981年生まれ。東京都出身。妻と息子3人の5人家族。
高校卒業後は北里大学薬学部に進学し、2004年に外資系製薬会社にMR(営業)として就職。入社後は九州の宮崎に配属となり4年勤務、その後は福岡に2年、沖縄に4年間在籍。沖縄在籍中、チームと個人で「優秀課表彰」「Best Performer賞」「欧州研修賞」の3つのAwardを同時に受賞。その後、営業以外の仕事にもチャレンジしたいという思いから、2014年9月にBond-BBT Global Leadership MBA入学、2017年2月修了。在学中にデジタルマーケティングの部署に異動となり、その後は営業のラインマネジャー、現在(2020年3月)はプロダクトマネジャーと営業のラインマネジャーを兼任している。
2019年にはビジネスコーチの資格も取得し、チームメンバーの成長支援だけではなく、講演活動や勉強会などを企画し、リーダーシップ、コーチングの普及活動を行っている。